花森安治さんは戦中、大政翼賛会宣伝部でポスター制作などに手腕を発揮。
「欲しがりません勝つまでは」といった戦時標語の普及に携わりました。
つまり、この戦中の仕事が、花森さんにとって痛恨の過去となっている、ということで、話が進んできましたが、ご本人の言葉がとても印象深く心に残りました。
戦中の活躍が、逆に花森さんにとって痛恨の過去となります。
7月13日放送の「とと姉ちゃん」第87話で、花山が常子に「終戦になって、信じてきたことがすべて間違っていたことに気づかされた」と心情をはき出したように、花森さんの言葉も、残っています。
花森さんは「ボクは確かに、戦争犯罪を犯した」(1971年、週刊朝日)と語り、「これからは絶対だまされない、だまされない人たちをふやしていく。そ の決意と使命感に免じて、過去の罪はせめて執行猶予してもらっている、と思っている」と雑誌作りに全身全霊を注ぐ理由を明かしています。